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水抵抗による場合は図2・12のような接続とし、力率の調整はリアクトル又は同期機を力率調整用電動機(CM)として使用する。必要とする無効電力は次の式により算定することができる。

026-1.gif

(電流×同期インピーダンス)=(発電機電圧)なる条件が必要であるのでCMの同期インピーダンスがあまり大きいと、無効電力は取りにくい。

 

026-2.gif

AG;被試験機

DM;直流電動機

;力率調整用電動機

OCB、OCB2;しゃ断器

W.L;水抵抗

R;放電抵抗

CT;計器用変流器

DT;計器用変圧器

図2・12 実負荷試験回路例

 

(b) 零力率法

同期機を無負荷で発電機として運転し、定格周波数で殆ど零力率の電流を流し温度上昇を推定する方法である。同期調相機ではそのまま適用し得るが、同期発電機又は同期電動機の場合は、界磁電流の不足から定格出力に対するkVAが得られない場合がある。従って下記のいずれかの方法で温度を推定する。

(i) 定格出力に対するkVAに近い値が得られるように、できるだけ大きい界磁電流で試験を行い、その結果を下記要領で補正すれば、定格状態の温度上昇が算出できる。

(イ) まず、定格電圧無負荷(電機子電流が最小の状態)で温度試験を行い、各部の温度上昇を測定する。

電機子巻線;t0

電機子鉄心;tCO

(ロ) 零力率試験を行い、各部の温度上昇を測定する。

電圧V'、電流I'の時の巻線;t'

電圧V'、電流I'の時の鉄心;t'c

界磁電流If'の時の界磁巻線;tf'

(ハ) 定格電圧をV、定格電流をI、定格界磁電流をIfとすると、定格状態の温度上昇は(イ)(ロ)の温度を使用し次のように求めることができる。

026-3.gif

上記の試験電圧V'及び試験電流I'は、できるだけ定格値に近い値であることが必要であるので90%以上が望ましい。

 

 

 

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