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(ハ) もっぱら漁ろう場から漁獲物又はその加工品を運搬する船舶

(ニ) もっぱら漁業に関する試験、調査、指導若しくは練習に従事する船舶又は漁業の取締りに従事する船舶であって、漁ろう設備を有するもの。

注:(1) この定義は、海上における人命の安全のための国際条約の定義よりは広くなっている。すなわち、同条約では、「魚類、鯨類、あざらし、せいうち、その他の海洋生物資源を採捕するために使用する船舶」を「漁船」と定義している。これは、同条約においては、その適用を除外する観点から、業態が本質的に運搬具に属さない漁ろう船に限定したものと解されるが、船舶安全法においては、その適用を除外するものではなく、一般商船との間に運用上の差を設けるという観点から、水産国であるわが国の漁船の操業実態と、これに対する保護政策、漁船法の漁船等に留意して、漁ろう船と直接的に関係の深い船舶をも含めることとしている。

なお、漁船について、前記条約によって特別に規制する場合は、その適用を条約上の「漁船」に限定している船舶防火構造規則(昭和55年運輸省令第11号)第27条の2の2、船舶救命設備規則(昭和40年運輸省令第36号)第1条の2、船舶消防設備規則(昭和40年運輸省令第37号)第1条の2、海上における人命の安全のための国際条約及び満載喫水線に関する国際条約による証書に関する省令(昭和40年運輸省令第39号)第1条の2、無線従事者操作範囲令(昭和33年政令第306号)第2条第1項。

注:(2) 漁船は、その業態の特殊性にかんがみて、技術基準に特例が設けられて、また、操業区域についても、一般商船の航行区域制とは別に業務の種類に応じて定められる等の特例が認められるところから、ただ単に、運搬用として一般商船の用途に使用することは認められていないので、漁船であるかどうかの認定に当たっては、「もっぱら」の解釈は、漁船登録票の有無にかかわらず、厳格に行われることになっており、臨時的とはいえ旅客又は貨物の運搬に従事する間は、漁船でないものとされ、また、「漁ろう場」の解釈は、実際に漁ろうをする場所を指すことになっており、集荷港又は漁船基地からの運搬に従事する船舶は、漁船でないものとされる。

 

 

 

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