(f) 始動用抵抗器は、船の振動、動揺などに十分耐え、海水及び湿気に対して優れた耐食性をもち、かつ、界磁抵抗のように、一定の抵抗値を保つ必要がある場合には、その抵抗体に著しい変化の起こらないものを使用する。
(2) 主要電動補機の制御装置
(a) 燃料油装置のポンプ及び貨物油ポンプを電動機で駆動する場合には、設置してある場所、又はその付近が出火した場合、設置場所以外の容易に近づける場所から、電動機を停止できるように装置しておく必要がある。
(b) 操だ装置電動機用始動器はUVR(LVR)とし、船橋から遠隔発停できなければならない。なお操だ装置については上記のほか各種の警報、表示が要求されるので注意のこと。詳細については、2.4.3項重要補機に記載の船舶設備規程(第140条〜第145条、第285条及び第285条の2)を参照のこと。
(c) 揚貨装置用制御装置については、とくに下記((i)〜(iii))に留意する。
(i) 揚貨装置用制御器は、手動、又は電磁式の可逆主回路制御方式のもので、もし、巻下しの条件に適合する負荷制御装置をもたない場合には、発電制動、又は回生制動を行なえるようにする。
なお、貨物を中途で止め、又は機械を急停止するための電磁ブレーキを備える必要がある。
(ii) 揚貨装置用制御器には、近接した位置に電路しゃ断器を備える必要がある。
(iii) 揚貨装置用制御器には、過負荷防止のための安全装置を備えているか、又はこれに準ずる安全のための装置を講じておく必要がある。
(d) 揚びょう装置及び係船装置用制御装置は、手動、又は電磁式可逆主回路制御によるもので、なるべく自動停止性をもち、揚びょう装置用の場合には、巻下しの場合、発電制動が行なわれるものが望ましい。
なお、アンカーを中途で止め、又は機械を急停止するための電磁ブレーキを備える必要がある。
(e) 通風装置等(ボイラ用送風装置を含む。)の制御装置については、下記による。なお2.4.3の2項参照。
(i) 機関区域に使用する電動通風装置(ボイラ用送風装置を含む。以下同じ。)は、機関区域の内外のいずれにおいても、これを停止できるものとする。
(ii) 機関区域以外で使用する電動通風装置は、それぞれ使用する場所の外部から、これを停止できるものとする。ただし、船舶設備規程では旅客船以外の国際航海に従事しない船舶の電動通風装置は、調理室及び貨物区域に使用するものだけでよいと規定されている。