参考資料4
港湾の民営化(Port Privatization)の方法
『Port privatisation . process, players and progress』(A cargo Systems Report by Sidney Cass, 1996, Cargo Systems IIR Publications Ltd)Chapter 2: Defining the Objectives- what is port privatization?より、抄訳したものを以下掲載する。
1 コーポラタイゼーション
・公的セクターによる管理者(Landlord)(港湾公社)を設立。
・同公社にオペレーションの自由を付与(但し、部分的には中央政府が保持。)
・100%政府保有の会社で港湾サービスを提供するが、港湾資産は民間部門へリースされる。
・政府は、民間部門へ同公社を手放す。
・マレーシアのポートクラン
2 コンセッショシ(BOT又はリース)
・コンセッションは民営化(Privatization)ではない。公共サービスを創造、供給及び運用するための法的な技術。例えばいわゆるマレイシアの民営化の過程はまさにコンセッションと施設リース又はコンセッションか施設リースのシステムである。
・コンセッションとは政府による特権の付与のこと。多くの国々特に欧州ではリースと同じものとして使われている。しかし厳密にいえば、譲与者は契約によって受け手(コンセッショネアー)に、一定期間における資金管理、施設建設及び運用する権利を付与する。その後、施設は無償で譲与者に移転される。
・コンセッションはローマ法に由来する公共施設運用のシステムで、公共サービスのルール、継続性、ユーザー無差別均等サービスに乗っ取って運用される。その結果として、コンセッションは公共入札ベースで付与され透明性が確保される。最低のタリフで最善の効率をもったサービスという公益が保持されるべきもの。
・コンセッションの利点
(1) 譲与者側から資金管理を解放する一方、受け手は全体のオペレーションの資金管理、オペレーション、施設維持、及びタリフを通じての投資回収を行う。
(2) 譲与者と受け手の法的関係の確立及びその過程(受け手のスクリーニング等)を通じての契約内容の継続性の確保。
(3) 特権付与によって長期間にわたる支配圏を失うことなく、外国資本を導入できる。
・コンセッションの欠点
(1) 受け手の支配力が強すぎる。
(2) 透明性に欠ける。
(3) 政府(港湾管理者)指名スタッフ雇用圧力が働く、腐敗の温床