1-2 ドバイ港の港湾管理運営
(1) ドバイ港
ペルシャ湾岸は16世紀以降、東西貿易の中継地としてヨーロッパ列強が触手を伸ばした地域であった。このような地理的・歴史的背景の下、伝統的に海運貿易が盛んであったことを反映して、UAEの中でも港湾活動は経済活動の中で大きな役割を果たしてきた。
ドバイ港はドバイ市街地の西側に隣接するラシッド港区と市の中心から南西約35km離れたジベル・アリ港区の2つの地域の総称である。中でも、ラシッド港区は中継貿易でドバイの経済を支えたきた歴史をもっている。ラシッド港区は1979年に拡張工事が完了し、現在5つのコンテナ用バースと30の一般貨物用バースを持つ中東最大規模の港湾である。ジベル・アリ港区はジベル・アリ工業団地、同フリーゾーンの中核として1979年に開業した67バースをもつ新設大規模港湾である。そのほかドバイクリークがイランなどへの再輸出を営むダウ船とよばれる小型船の輸送基地となっている。
1996年のラシッド港区とジベル・アリ港区を合わせた取扱い貨物量は、コンテナが225万TEUでこれは世界第14位に位置し、対前年比8%増であると1997年の入出港船舶数は10,243隻、このうちコンテナ船は4,600隻である。貨物の総取扱量は3,600万tでこれは対前年比18%増である。