日本財団 図書館


UAEの連邦財政は各首長国の独立性が強く連邦財政と各首長国単独財政が併存する状況にある。外交、防衛、法務、警察、通信、厚生、教育・文化などは一応連邦財政の中で運営されているシステムとなっているが、石油産業や工業など重要な経済活動に関する政策は各首長国独自の財政の中で自己完結的に取り込まれる傾向が強く、特にアブダビ、ドバイの二大首長国の財政規模は連邦政府のそれと比較し相当大きなものとなっている。

アブダビ、ドバイ、シャルジャ、ラッセルハイマの産油首長国は原則として石油収益の50%を連邦政府に拠出する義務を負っており、この拠出金が連邦政府収入の90%近くをを占めていると言われている。その大半はアブダビ政府の拠出金に依存している。

このような連邦国家特有の国家政策を背景に、港湾開発においては、国家全体の統一開発計画は存在せず、各首長国が独自に計画を立案し、各首長国が独自に資金調達し、建設する方式が採用されている。このため、たとえば類似のコンテナ港湾を中心としたフーリゾーン開発計画が、アブダビ、ドバイ、シャルジャ、フジャイラの4首長国において、競合するような形で展開されている。

 

153-1.gif

 

図表4-18アラブ首長国連邦政府機関

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION