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イ. 国際化戦略

PSAはシンガポール港で培った豊富なノウハウを海外投資に活用し、経営基盤の拡大と安定化を図ろうとしている。以下にその代表的なプロジェクトの概要を記述する。

 

1] 大連港コンテナターミナル会社の設立

PSAは1996年7月海外初のコンテナターミナルプロジェクトを大連港務局との合弁事業としてスーター卜させた。具体的にはPSAの子会社SPDIが49%大連港務局傘下企業が51%出資し、大連コンテナターミナル会社を設立する。1997年11月にはこのプロジェクトへのマースクの参画も決定していると。

 

2] 中国における倉庫・物流事業の展開

China Merehant - PSA Logistics Co Ltdを設立。上海、天津、広州、武漢、成都、鄭州に地域集配センターを開設の予定。第一弾として上海の倉庫内陸輸送業者との合弁でChina Merchant - PSA Logisties Shanghaiを設立、近々上海にて開業予定。

 

ウ. PSAの財政状況

PSAは財政的には政府から独立しており、新規バースの建設等は内部留保を使って行われている。

1996年の運営収入は1874百万ドルで、対前年比6%増である。これは組織改革に伴い、入港料等の収入がMPAに移ったことを考慮した上の数字である。これらは貨物量の伸びにともなう運営収入と、それらにともなう施設の賃貸料の増加である。一方運営支出は対前年比2%増の978百万ドルにとどまり、896百万ドルの余剰を生んでいる。

 

4-5 民営化の動き

 

1996年2月

PSAの官公庁的業務を新しく設立したMPAに移管。

PSAは港湾サービス専門の組織となる。

1997年5月

PSAの組織改編、戦略事業展開部門と管理部門の2グループに分け事業展開部門はコンテナターミナルの運営に海外事業、倉庫・物流事業を加え、3つの柱を建てている。

1997

政府が株式を100%所有する特殊会社となる。

 

数年内に株式を上場し、民間資本を導入予定。

 

 

 

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