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3-2 経済政策と民営化

 

(1) 経済政策

1983年に設立したアルフォンシン政権は、国家主導型経済のもと、輸入代替政策と国内産業振興を図ったが、ハイパーインフレ等、経済混乱を招来した。そして1989年にメネム政権が設立した。

メネム政権は、自由開放経済政策を推進し、1991年4月には、国内通貨とドルとをリンクさせた兌換法が設立した。

この法律は、外貨取引の自由化と外貨準備高に応じた通貨供給量の制限及び財政均衡等を骨子としたものであり、これにより、物価と為替の安定が達成された。

そして、これと同時に各種公共サービスの民営化、規制緩和、輸出促進を含む構造改革に、1991年から本格的に取り組んだ。

この結果、道路、鉄道、港湾、水道、電気、電話が次々に民営化し、1997年7月には郵便も民営化した。

中南米の民営化は、最初はチリが1985年頃より始め、アルゼンチンでは1987年からで1991年より本格化した。

 

(2) 民営化

<高速道路>

現在、民間企業が運1営している高速道路があるが、これは元々、国道が存在していたが、国家財政が窮乏し、十分な維持管理がされていなかった。この結果、破損の著しい国道を民間に運営権を与え、民間の資本で整備させ、その後、有料化(現在0.7ドル)させた。このため、一般市民は、先ず、整備された道路を無料で利用できたことから、その成果に満足し、大した不満もなく、有料化へとつながった。道路は路盤以下は全て国有財産であり、民間が整備した部分のみ民間財産であり、一定期間の運営権の契約終了後には全財産及び、運営権は国に帰属する。ただし、現時点では、国が運営する可能性は低く、再度、コンセッションの入札が行われることとなる。

国としては運営権を与えることで、効率が高くなるとともに、税収も入ることとなる。

 

<その他>

港湾も運営権を特許する形である。

郵便の民営化は、資本は国内資本であるが、技術は外国のものを導入した。

水道、電気、電話、ガスとも民営化の結果、サービスが向上し、市民は満足していると。

外貨、為替とも全く自由であり、外貨統計、為替統計もとっていない。

石油公社(YPF)は民営化の結果、雇用者数が5万人から5,000人に減少した。

 

 

 

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