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・1978年〜1990年の間

1978年にポルトブラス設置、ポルトブラスは資本を99%中央政府が持つ公団組織であり、DNPVNの権限は全てポルトブラスに移った。そして、ポルトブラスがレセフェ港、マセーヨ港、エストリラ港などの河川港を直接、運営していた他、8つの埠頭公社(COMPANHIA DOCAS)を作り(埠頭公社はポルトブラスが100%出資して、民法に基づき作った会社、ブラジルでは公社と呼んでいる)、その埠頭公社に港湾の運営をさせていた。

ポルトブラスの社長は大統領が任命し、全港湾の収入はポルトブラスに入り、ポルトブラスから大蔵省の特別勘定に入り、必要に応じて、そこから、各港湾に還付した。

また、大規模な開発投資には、連邦政府からの直接資金あるいは外国資本を調達して建設した。

・1990年

ポルトブラス廃止。中央政府運輸省の中にDNTA(国家海上水路局)が設置され、ポルトブラスの権限は一部DNTAに移ったが、各港湾の運営は各港が独立して実施した。そしてポルトブラスの直営港(9港)は8埠頭公社に振り分けられた。

・1990年〜1993年の間

運輸省、通信省、鉱山動力省が1つのインフラ整備省になったり、又、運輸省が独立したりと行政改革が何度か行われた。

 

このように港湾の管理運営形態が変わる中で、港湾料金の設定を誰がやっているか不明になるなど混沌とした時代となる一方、沖仲士、検数、荷役などの各分野ごとに存在していた労働組合が、料金の決定、作業員の配置の指示など、実質的に港湾を支配し、連邦政府がコントロールできない状況となり、港湾の非効率化、港湾料金の値上げ、サービスの低下が生じた。

このため、1993年に「港湾近代化法」をつくり、港湾の管理運営の責任を持つ「港湾審議会」と労働者を管理する「OGMO(労働者管理機関)」を各港に設置させている。

なお、ブラジルの港湾民営化は2つの枠組みから成っている。1つ目はそれまで連邦管理していた港湾を全て州、市に管理を委託すること、但し、連邦政府は方針、ルール(法律)を作成し、それを監督する形で連邦政府の関与は残す。

2つ目は港湾サービスのいっさいを民営化させることである。

 

(2) 港湾近代化法の概要

1) コンセッション、リース、委託(delegation)の違い

 

 

 

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