日本財団 図書館


4 港湾の開発・維持管理に関する連邦の関与

 

現行のカナダ港湾公社(CPC)制度の下では、CPC管理下の14港からCPCに年間合計10百万カナダドルが、分担金として支払われている。これは、連邦の土地のリース料としての性格があり、バンクーバー港からは、4.3百万カナダドル、モントリオール港からは、2.3百万カナダドルが納入された(いずれも1995年)。連邦運輸省の管理下の港湾については、連邦による整備が行われてきた。

 

航路の維持浚渫は、海上保安庁が実施しているが、受益者負担の原則によって港湾管理者がその費用を負担している。海上の安全確保、救助及び砕氷は国が実施している。

 

新法が公布されると、カナダポートオーソリティ(CPA)が8港に設立される。これは、非営利企業で株式は発行しないが、企業として独立採算で運営される。国からの補助、債務保証は一切なく、国は、ボードメンバーの下部を指名するだけの関与となる。

 

カナダポートオーソリティに関する連邦の関与

運輸大臣は下記事項を定めて、ポートオーソリティの設立を認可する。

 

1] 港湾の陸域、海域の範囲

2] ボードの評議員の数(9-11名)

3] その地域を代表する評議員を選出する州及び市

4] ポートオーソリティの評議員と職員の規範

5] 連邦への納入額、または、その計算方式

6] その他運輸大臣が必要と認める条件

 

ボードの評議員のうち1名は運輸大臣が指名し、ユーザーを代表する5-6名は、運輸大臣と地元ユーザーが協議して指名する事となる。地元州と市の代表はそれぞれの州と市が指名するので、運輸大臣は、過半数の評議員の指名権を持つこととなる。財政的には、国は補助も債務保証も行わない。ただし、ポートオーソリティは法人所得税の課税はされない。

 

地方港に対する支援

6年間の移行期間中、国は125百万カナダドルの港湾支援基金をもうけて、下記支援を行う。

・主要港湾施設の改良

・州または市が港湾を引き継ぐための費用の拠出

・民間事業者が公共利用部分も含めて引き継ぐ場合の支援

・環境や安全確保の規則に合わせるための費用及び将来そのため必要となる保険の費用

・コミュニティ等が港湾を引き継ぐために施設を合理化する費用

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION