3年間にわたるこの調査事業で得られた結果から、自動車の排出ガスによる大気環境改善のため以下の提言を行う。
・CNG車を共同輸配送に導入した場合の実用性は、ほぼ問題ないレベルであるが、使用者の利便性向上のため、燃料インフラの充実、車両の実用性改善をさらに進める必要がある。
・CNG車の地域環境に関する排出ガス(NOx、CO、PM)は、ディーゼル車に対し大幅に少なく、特に共同輸配送と組み合わせることで低減効果がさらに大きくなるため、自動車排出ガスによる地域環境問題改善のため、積極的にCNG車を共同輸配送に導入すべきである。
・共同輸配送により大幅なCO2低減が可能であるが、ディーゼル車より低減するには、CNG車の軽量化、燃焼技術の改良等、燃料消費率改善のための革新的な技術開発が必要である。たとえば、高圧要素部品等の軽量化による車両重量の低減、シリンダ内直接噴射、ハイブリッドシステム等の技術をこの種の車両に導入することが期待される。
・CNG車の導入にあたっての課題は、ディーゼル車と比較してCNG車の燃料経済性が劣ることである。CNG車のさらなる燃料消費率改善およびCNG燃料の低価格化を図ることが肝要である。