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4.3 試験結果の検討及びまとめ

 

以下に測定を実施した各試験車両の排出ガス試験結果をまとめた。なお、試験において、各試験車両の排出ガス量にばらつきが見られ、また排出ガスに関し改善を要する点が見られたため、平成9年11月6日に東京地区委員長および排出ガス試験委託先の担当者に出席頂き、各自動車メーカーと試験結果の検討を行った。(そこでの検討、考察は文中に*印で示した。)また、その後必要に応じ、排出ガスの改善を行ったので以下に経過も含め、結果をまとめた。なお、ディーゼル車と比較した詳細な環境影響評価は第7章で行うので、ここでは車両単体での排出ガスについて試験結果概要をまとめる。

 

4.3.1 ディーゼル車の排出ガス試験結果

[D10・15モード]

調査期間中のディーゼル車の走行距離は、約15,000kmであった。その間の排出ガスは比較的安定しており、異常なレベルの排出ガスはなかった。ディーゼル車の排出ガス対策は、触媒を使用していないためこの後も極端な排出ガスレベルの変化は考えにくいことから、CNG車の排出ガス比較用データとしてこのデータを使用することとした。

[G13モード]

資料集に詳細測定データを示したが、15,409km走行後のG13モード排出ガスは、CO=4.25、HC=2.5、NOx=5.7g/kW/hであった。このエンジンのD13モード諸元値(エンジンダイナモ上の測定値)はCO=4.5、HC=2.3、NOx=4.8g/kW/hであり、諸元値に比べるとHCが8%、NOxが15.8%排出量がオーバーしていたが、規制の範囲内の数値であり、特に問題はないと思われる。

 

4.3.2 CNG車の排出ガス試験結果

(1) A-1車(協同組合新宿摩天楼)

[D10・15モード]

当該事は、20,764kmでの排出ガス試験(排気煙濃度試験)の際、エンジンオーバーランにより動弁系に異常が生じたたため、エンジンアッセンブリ交換を行い、試験を継続した。

NOx排出量は、約1g/km程度であり、比較ディーゼル車の1/2(40%)以下であった。COの排出量は、ディーゼル車の1/3以下である。HCの排出量はディーゼル車の排出量より13.1%低く、CO2はほぼディーゼル車と同等であった。走行距離とともにCO2(燃費)は向上する傾向にあった。エンジン交換前の状態では約20%、交換後も燃費は約10%向上した。

CH4はデイーゼル車より高かった。N2Oもディーゼル車より高いが、別途環境改善効果の章でも検討したが、レベル的には問題ないと考えられる。PMはほぼゼロに近いレベルで、ディーゼル車より大幅に低かった(なお、CH4、N2O、

 

 

 

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