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車の平均車速と燃費の関係を示す。平均車速は調査日、各事業者により大きく異なり、約9km/h〜35km/hの範囲であった。いずれの場合も平均車速が上がると燃費が改善される傾向が出ている。今回調査した平均車速範囲では、CNG車の燃費は約4〜7km/Nm3であったのに対し、ディーゼル車の燃費は約5〜10km/Lであった。

図3-2-2にCNG車とディーゼル車の1km当たりの停止回数と燃費の関係を示す。1km当たりの停止回数は0.6〜5.7回となっているが、停止回数が増えると燃費が悪化する傾向が見られる。

図3-2-3に、同乗調査日におけるCNG車とディーゼル車のアイドリング時間割合を示した。アイドリング時間の割合は、今回の同乗調査の範囲では約16〜39%と走行時間に占める割合が大きく、また事業者によりばらつきが大きいという市場実態がわかった。なお、アイドリング時間割合が燃料消費率に及ぼす影響は、経済性の評価の章で詳細に検討した。

次に、燃費に大きな影響を及ぼす平均車速の変化は、どのような走り方の要素に影響を受けるか検討した。

図3-2-4に1km当たりの停止回数と平均車速の関係を示した。CNG車、ディーゼル車ともほぼ同様な傾向を示し、停止回数が減ると平均車速は指数関数的に増加する傾向があった。このため、停止回数が少ない走り方の場合平均車速が上がり、結果的に燃費が向上するといえる。

図3-2-5に1km当たりの停止回数とアイドリング時間割合を示す。1km当たりの停止回数が増加するとアイドリング時間割合も増加するという傾向がやや見られた。

図3-2-6に同乗調査日における平均車両総重量と燃費の関係を示した。平均車速が異なる影響も含まれているが、同乗調査日における平均車両総重量の範囲では、平均車両総重量1が増加すると燃費はやや悪化する傾向が見られる。

図3-2-7は同乗調査日における平均積荷重量2とCNG車、ディーゼル車の車両重量との関係を表したものである。平均積荷重量に対し、CNG車の車両重量はディーゼル車よりも平均的に500kg前後重いことがわかる。図3-2-8は、平均車両総重量に対するCNG車、ディーゼル車の車両重量との関係を表したものである。同様な関係が表れている。図3-2-6に見られるように車両総重量が大きければ、燃費が悪化するのは明確であり、CNG車の車両重量を軽量化することが燃費の改善につながることがわかる。

同乗調査における走行燃費と平均車両総重量のデータを用い、車両重量と走行費の関係をさらに検討した。走行燃費に与える平均車速の影響を除くために、比較的平均車速の狭い範囲(15〜20km/h)のデータを用い、走行燃費と平均車両総重量の関係を図3-2-9に表した。CNG車及びディーゼル車の走行燃費と平

 

1平均車両総重量=輸送量(車両総重量のトン・km)/走行距離(km)

2平均積荷重量=輸送量(積荷重量のトン・km)/走行距離は(km)

 

 

 

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