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騒音

 

Lulea巨工科大学で実施された研究において、燃料の選択、排出ガス、負荷条件および騒音の間に明らかな関係があるということが示されました。さまざまな変数の間の相互作用を分析することにより(多変量データ分析)、これらの関係をより詳細に研究することが可能でした(Zurita G,1997)。この方法により、騒音と炭化水素の排出は速度に大きく影響されることが、また、NOxの排出は負荷条件に大きく依存することが証明されています。

騒音レベルがエタノールで走行するディーゼル・エンジンに関してより高いという事実は、エタノール・エンジンの圧縮比がより高いものであり、燃焼過程がディーゼルのそれと異なっていることによるものです。このことが実際に作用する方法がSvenolプロジェクト(Ekelund M,1997)で研究されましたが、これには7台のエタノール・エンジン・トラックでのテストが含まれています(第7章参照)。Svenolプロジェクトの最初の段階でのすべてのトラックが騒音に関してテストされました。これらの研究から、エタノールでの走行に関連して、騒音レベルの上昇が確認されました。しかしながら、さまざまな自動車の間に大きな違いがありました。

この方法で騒音レベルを測定することは難しいプロセスであり、その結果は温度、タイヤの状況等の多くの要因に依存します。しかしながら、ディーゼルとエタノールの燃焼特性の間の違いは、騒音レベルは一般的にエタノールで走行するエンジンの方が高い傾向にあるということを示しています。もし自動車設計者がこれらの関係を知っていたら、騒音に起因する問題は、たとえばエンジンルームの適切な場所に騒音遮蔽板等を取り付けることでかなり簡単に克服できます。エンジンを最適化することにより騒音を考慮した修正を行うことも可能です。しかしながら、騒音の最も顕著な削減はエタノールの点火をより容易にすることであり、これにより効率性を高め、燃料消費量を削減することができます。

 

排出ガスのテスト方法

 

環境と健康へのその影響と同様に、さまざまなタイプの燃料からの排出ガスを測定し、判定し、そして評価するために現在使用されている方法は、液体化石燃料、すなわちガソリンとディーゼルに関して使用するためにデザインされました。このことはこの方法が代替燃料を評価する時に使用される際に、いくつかの問題を引き起こすことを意味しています。

 

 

 

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