・欧州連合:欧州委員会第11(環境)総局 David Grant Lawrence、Patrick Rabe
第12(研究開発)総局Dr. William Borthwick
第17(エネルギー)総局 Ioannis Samoulidis
・OECD:環境局 Joke Waller-Hunter、Dr.Petor Wiederkehr
5.7.2 発表概要
基調講演及び全体会議の概要を以下に報告する。なお、会議の結論部分は第4章に示した。
基調講演
1]持続可能なモビリティについて/Jurgen Trittin環境・自然保護・核安全大臣/
・温室効果ガス削減、持続可能な運輸実現がG8にとって重要である。
・ドイツは環境に健全な運輸政策の5つの目標を掲げている。
・本フォーラムの主眼点はどの代替エネルギー及エンジンが将来的に最も有望か、
その早期商品化に向けて果たすべき官民の役割とは
・ドイツ連邦のエコロジー税改革:従来型燃料に課す鉱物石油税増税について
2]世界動向/Joke Waller-Hunter 環境局長/
輸送の未来:2030年に向けてのOECDの展望について概説した。
・OECD諸国と非OECD諸国に関し、大型トラック、二輪、小型トラック、乗用車別に見た1990、2030年の車両保有台数、走行距離、NOxとCO2排出量→非OECDでの大型トラックが最悪である。
・OECD諸国と非OECD諸国及び発生源別に見た環境への長期的影響をみると航空機も念頭にいれるべきである。
・現状型発展を続けた場合(Business As Usual:BAU)のシナリオと環境的に持続可能な輸送(Environmentally Sustainable Transport:EST)のシナリオは、
ESTl:ハイテク・シナリオ→水素燃料がベスト
EST2:移動管理シナリオ→公共交通機関、情報技術、鉄道の活用で移動減
EST3:1と2の最適組み合わせシナリオ→技術(30〜50%)+移動需要の管理(50〜70%)
・OECDでは、1994年にESTプロジェクトを着手。目的は、ESTの特徴を明確にし、EST実現に向けた政策立案のガイドラインを作成している。BAUのシナリオとESTのシナリオが将来的にますます乖離していくと予想され、その格差を埋めるために政策的橋渡しが必要との考えに基づいている。欧州で6地域を抽出して調査、検討した。計4段階。現在第3段階を展開中である。
◇輸送部門における将来の化石、代替エネルギー需要 Dr.Fritz Vahrenholt シェル社
非OECD諸国の人口増加、工業化により自動車需要が増え、全世界的に輸送用燃料需要が増えるとともに、2020年頃までは化石燃料、石油が依然として主流であろう。2060年までを対象としたシェルの長期的シナリオでは、その後徐々に再生可能エネルギー源が市場シェアを伸ばして行くとみられ、2050年頃には50%位になるであろう。
油田は、ペルシャ湾、カスピ海、北海。2020年以降も石油は残存する。