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第4章 低公害・代替燃料自動車普及のための政策等に関する情報

 

環境に対し効果のある低公害・代替燃料自動車は、現在のところ現行の自動車に対しコスト的に不利であり、市場原理で動いている貨物運送事業等に低公害・代替燃料自動車の普及を図る場合の大きなネックになっている。そのため、各国では低公害・代替燃料自動車の普及促進のため、種々の政策の必要性が叫ばれている。

ここでは、政策的な観点から低公害・代替燃料自動車の普及を図る場合及び道路輸送部門において環境問題にどのように対処する必要があるのか、行政としてどのようなことが必要になるか、各国の情報等を紹介する。

 

4.1 欧州の代替燃料政策の進展について

 

第15回電気自動車シンポジウムでは、欧州天然ガス自動車協会が欧州における代替燃料政策について紹介している。以下にその内容を示す。

 

欧州の代替燃料政策の進展

 

Dr.Jeffrey M.Seisler,専務理事

欧州天然ガス自動車協会

Spaklerweg 28 1096 BA Amsterdam オランダ

 

要約

 

クリーンな燃焼の代替燃料-天然ガス、電気、LPG、アルコール等-はそのマーケット・シェアを拡大しており、ガソリン/ディーゼルと代替燃料の間の均衡はより重要なものになっているということを認識させています。欧州全体の代替燃料政策にとって、マーケットにクリーンな燃料を成功裏に(かつ競争力を持って)導入するための環境整備が求められています。

 

概要

 

なぜ欧州は代替燃料に関心を持つべきなのか

 

エネルギーと環境問題は、欧州のほとんどの政策担当者にとっての関心事です。エネルギー開発とその避けられない環境へのインパクトの調和を図ることは欧州委員会(EC)と同様に欧州議会のメンバーにとって、欧州連合(EU)に対する挑戦です。自動車の使用が長期的に増加することは、たとえそれがより効率的であっても、環境に対してマイナスの影響を与えるでしょう。このことは我々が使用している燃料(たとえそれが伝統的なガソリンやディーゼルであろうが、より新しい代替燃料であろうが)の変化を要求するでしょう。現在のところ、代替燃料単独の、統制された、焦点を絞られた政策はありません。こういう時期になぜ欧州人-政策担当者および消費者-は代替燃料および代替燃料自動車(AFVs)に関心を持つべきなのでしょうか。

 

 

 

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