車輌製造コスト:
通常のディーゼル車に対し、1必要部品のコストアップは0〜20%になるだろう。さらに、重量車として必要な機能排気ブレーキ)の追加で約10%コストアップになろう。
ユーザーからの要望:
フリートテストで、ユーザーから寄せられた特別な要望がいくつかある。以下に二つ紹介する。
・ガス充填ホースのカップリングに関するもので、充填中は、エンジンがかからなくなるような信号がほしい。法規制する必要はないと考えられるが、重量車ではすでにそのような装置が具体化されており、運転手から充填カップリングが見えないケースでは必要と考えられる。
・メタンは空気より軽く、比較的安全であるが、逆に漏れている場合検知しにくいという特徴がある。車載上で漏れが検知できるシステム研究の必要性があげられている。
2.2 走行テスト等における排出ガス測定技術等に関する情報
実際の走行における排出ガスは、渋滞等その道路状況により大きく変化すると考えられる。ベルギーのVITO(Vlaamse lnstelling voor Teecnologisch Onderzoek:フラマン技術研究所)は、2.1項で紹介したように低公害・代替燃料自動車及び現行車の走行中の排出ガス、燃料消費量を測定し、実際の道路状況での排出ガス等を評価するという非常にユニークなプロジェクトを進めている。
実際にVITOを訪問し、その一端を調査したので以下に紹介する。
2.2.1 VITOにおける車載型排出ガス測定システムについて
(1)訪問日時及び応対者
訪問日時:1998年10月7日
応対者 :Ms.Renilde Craps
Mr. Dirk De Keukeleere
VITOは、1991年にフラマン政府により設立された中立の研究機関で、現在、約450名の職員で環境・エネルギー関係の研究を行っている。1997年の予算規模は約15億ベルギーフランで(1ベルギーフランは約3.5円:1998年5月現在)、その内約10億ベルギーフランはフラマン政府よりの助成で、残りは企業等からの委託研究による収入である。
1992年より、運輸部門に関係したプロジェクトを行っており、現在約20名の体制で、車両評価、部品テスト及び交通、エネルギー、環境に関する調査研究以下の事業を行っている。