摂氏16度および摂氏マイナス6度でのAudi 1.9 TDIによるFTPテストから、実験温度は規制エミッションのレベルに大きな影響は与えないということが明らかとなった。テスト燃料の間の最も大きな差異は粒子状物質のエミッションで観察された。粒子状物質のエミッションは両方の実験温度でEtRE燃料が最も低かった。両方の実験温度でCEC、RME20およびEtRE燃料にセタン価向上剤を加えることで、摂氏マイナス6度において一酸化炭素と炭化水素の排出が減少した。
低温始動性
低温始動性についてこの研究で得られた結果は、ベース燃料の品質とエンジンの特性が結果に大きく影響していることを示している。ここではひとつのタイプのベース燃料とエンジンが研究された。
RMEがCEC燃料に加えられた時、低温特性の実験室での分析の結果では同じレベルにとどまったことが観察された。しかしながら、RME混合燃料の実際の始動温度はベース燃料の始動温度より悪かった。
低温流動性向上剤がテスト燃料に加えられた時、実験室での分析データはベース燃料とRME混合燃料について同じであったが、RME混合に非常に強い反応を示したCFPPについては例外であった。実際の始動温度は低温流動性向上剤を加えた両方の燃料について同じレベルであった。実際の低温始動性に関するRMEのマイナスの効果は、低温流動性向上剤が使用された時は、これらの測定では無視された。しかしながら、この作業では稼動テストが行われなかったため、これは低温始動性の場合にのみ適用された。
大型VALMET612エンジンが低温での燃焼特性を研究するために使用された。CECとRME20燃料ではクランキングの開始とほぼ同時に着火が起こった。EtRE燃料の始動性はずっと劣悪である。クランキングの開始後最初の50サイクルを通じ、着火したのはわずかに3回だけであったもEtRE燃料に着火促進剤が加えられた時、着火は大幅に改善した。
この研究作業の全体の結論は以下のとおりである:
伝統的なセタン価測定:
*低、および中負荷において大型エンジンの着火遅れをよく説明するが、代替ディーゼル燃料よりも炭化水素燃料に対してより適切である。
*先進の小型自動車による燃焼過程は説明できない。
*セタン価標準燃料は先進エンジンではうまく機能しない。
*セタン価向上剤、特にバイオディーゼルに関して、その効果を過大評価する。
*いくつかの変数に対し、低温始動性との相関関係