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第2部 低温における排出ガス、燃焼特性および始動性

8 Valmet 620エンジンによる始動性テスト

 

8.1 テストロプログラムおよび手順

低温特性に乏しいCECとRME20燃料が、実用上の最低低温始動可能温度の判定及びRME混合燃料の添加剤の効果を研究するために選ばれた。これらの燃料は低温始動補助装置をつけた場合とつけない場合で使われた。

実験室での燃料のテスト結果が第3章に表示されている。テスト燃料の低温特性はまた図32に表示されている。テストは中型のValmet 620エンジンを据え付けた環境実験室で行われた。

 

エンジンの特性は以下のとおり:

形式:Valmet 620 DS、水平農業用トラクターエンジン、ターボチャージャー、直接噴射

ポンプ:ロータリー式ポンプ

排気量:6.6リッター

気筒:6気筒

出力:130kw/2400rpm、630Nm/1500rpm

このエンジンには低温時の始動を補助するためにバーナータイプの吸入空気ヒーターが装着されていたが、この装置は使われなかった。

エンジンは第5章でのValmet 612 DWIエンジンに関して述べられたように同じ動力計を持つ低温実験室に据え付けられた。同じ装置が排出の測定のために使われた。加えて排気の不透明度が測定された(Electra Control社製煙メーターDST)。

低温始動性試験法は、エンジン製造メーカーと共同で立案した屋内テストであった。しかしながら、テストの基本原則はディーゼル自動車のための低温気候での効率試験法であるCEC M-11-T-89試験法に類似した。CEC M-11-T-89法は3つの異なったタイプのテストをあげている:始動性、稼動性(フィルターの詰まり)および運転性の3つである。VTTでのテストは始動性に対して行われた。

始動性の最低温度は、実験室の温度をエンジンが始動しなくなるまで摂氏6度刻みで下げていくことにより検出された。その後、実験室の温度はエンジンが再び始動するまで摂氏3度刻みで上げられた。1日に1回だけ、低温始動が行われた。このように、温度を元に戻すための時間として24時間が取られた。

燃料の温度上昇を避けるため燃料のリターン経路に金属製容器が設置された。実際には低温時

 

 

 

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