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着して3ヶ月以上が経過した時点で行われた。エタノール燃料の安定性はわずか3ヶ月であり、このため、エタノール燃料の2番目のサンプルが小型自動車でのテストのために使用された。EtOH15の最初のサンプルのセタン価は約42であった。2番目のサンプルについてはセタン価は分析が非常に困難で結果はほぼ34であった。この原因は2番目のサンプルに対するセタン価測定の時間に起因すると思われた:この燃料は低温の冬を通じ貯蔵されていたに違いなく、このことが分離の過程を促進したと見られた。他方、セタン価向上剤を加えた2番目のサンプル(EtOH15+ciとEtRE+ci)の両方が最初のサンプルと比較できるセタン価(約49)を示した。ただし最初のサンプルはセタン価向上剤なしの燃料と同じように貯蔵されていた。

CEC、RME20およびTME20燃料の硫黄含有量は、粒子状物質の排出を考慮せざるを得ない現在の市場のディーゼル燃料と比較して高い数値を示した。

曇り点はエタノール混合物についてはその色が白色のため分析できなかった。その他の燃料の曇り点は、摂氏マイナス14度という低い曇り点を持つASTM2Dを除いてマイナス5度からマイナス7度の範囲であった。

低温時の稼動性を表わす最も重要な特性である伝統的なCFPPが考慮された。低温流動性向上剤を加えないCFPP値は摂氏マイナス9度からマイナス14度の範囲であり、エタノール燃料は除かれた。エタノール燃料のCFPPの結果は、スウェーデン環境クラス1のディーゼルとエタノールという非常に軽い混合成分のため摂氏マイナス39度以下という数値になった。このため、エタノール燃料には低温流動性向上剤を加える意味はない。

低温流動性向上剤に対する燃料のレスポンス(効果の現れ方)は、SCD燃料が最も高かった。このプロジェクトで使用されたCFPP添加剤は典型的な化学製品であり、主要な添加剤供給者から入手可能であった。低温流動性向上剤の効果は燃料の成分に影響されることが知られている。このように、フィンランドで使われているこの添加剤のレスポンスがフィンランドのディーゼル燃料との組み合わせで最もレスポンスが高かったということは理屈にあっている。

CFPPテスト手法は、実際の低温挙動を反映しないような、低温流動性向上剤への高いレスポンスに関するいくつかのケースで批判がなされた。SFPPテスト手法はCFPPより実際の低温挙動をよりよく反映すると評価されている新しいテストであるとSFPP分析で用いられる基本的な装置はCFPPで使われるのと同じである。主な違いはフィルターのポア(孔)のサイズと、より緩やかな温度変化である。

その結果はSFPP値がCFPP値とかなり異なっており、これは添加剤が使われた時にいっそう顕著になることを示している。添加剤を加えないSFPPの結果は摂氏マイナス5度から7度で、添加剤を加えた場合は摂氏マイナス12度からマイナス15度となっており、同じ場合にCFPPでは添加剤を加えない場合、摂氏マイナス9度からマイナス10度であり、添加剤を加えた場合は摂氏マイナス14度からマイナス26度という結果が出ている。

 

 

 

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