この結果はディーゼルとガソリンの特性の変化が、欧州における窒素酸化物および揮発性有機物とオゾン・レベルに影響を持っているということを示している。しかしながら、追加的な影響は、すでに合意された欧州における汚染源(輸送と並び固定施設も)のエミッションの変化の影響と比較してかなり小さい。データはまた、技術の進歩は燃料成分の変化より多くのものを達成し、輸送部門からだけのエミッションの削減では目標を達成することができないということを示している。
4.2.2 自動車技術はロサンゼルスの大気の質を改善できる
エミッション基準の変更によるロサンゼルスの大気の質は、3次元Airshedシミュレーション・モデル(クニミ氏、イシザワ氏、およびヨシカワ氏、1996年)を使用して予測された。このシミュレーションは2010年における3日間を想定し、低排出ガス自動車、超低排出ガス自動車、およびゼロ排出ガス自動車のエミッション基準の効果を検証した。この研究ではまた、第1段階(Tier 1)、第2段階(Tier 2)、第3段階(Tier 3)と名付けたエミッション削減努力の影響も考慮した。これらの削減努力は表21に詳しく表示してある。シミュレーションにインプットするために使われたエミッションデータの要約は表22に表示してある。表(ULEV、LEV、TLEV、その他)に表示されたエミッション基準は、付録Aで説明されている。表23に表示されているとおり、結果は2010年における大気の質の著しい改善が、規制に関係なく、触媒を持たない古い自動車を排除したことによるものであると予測している。古い自動車を排除することによって、2010年までに反応有機ガスのエミッションが50%削減できる。LEV基準を採用することによってROGのエミッションは50%以上削減される。超低排出ガス自動車およびゼロ排出ガス自動車基準を採用しても、顕著な追加的な改善は見られない。