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非化石燃料(再生燃料や原子力)を発電に使用する割合の高い国々においては、地方的、地域的および世界的な電気自動車のエミッションはガソリン自動車のエミッションより少ない。発電が主に化石燃料により行なわれる国々においては、地方レベルの利点はあるが、地域レベルの利点は小さいか、あるいは存在せず、そして世界的な影響に関しては、電気自動車はガソリン自動車より効率が悪い可能性がある。

要約すれば、電気自動車は一般的にエミッションはゼロである(発電所がその都市に作られていない場合)。しかしながら、酸性雨、富栄養化および地球温暖化へのそれらの関与は、主に電気の発電方法に左右される。

 

3.4 地球規模および国境を越えた影響のまとめ

代替燃料と従来の燃料との質的比較は、気候の変化に基づいて行なうことができる;成層圏のオゾン形成は運輸部門とはそれほど関係しない;そして、技術とエミッション基準を利用することによって、すべての自動車による酸性雨の原因物質を減らすことが可能である。また、気候の変化が懸念されることから、硫黄エミッションの削減は阻止されるべきではない。

 

4. 地域および地方レベルの大気の質への影響

 

4.1 反応測定

Airshedモデルは、決められた大気の条件で、決められた地域においてオゾン濃度を予測するのに使用される。それらのモデルは大気中のオゾン形成の原因となる複雑な内部反応をモデル化するために比較的シンプルな1組の化学反応方程式に依存する。オゾンを形成する特別の化学物質の能力はオゾン反応と呼ばれ、その成分が反応すればするほど、多くのオゾンが作られると使用されたモデルのどれも有効とは言えない。これは一部には個々の化学物質に関する反応データが不足しているためである。

2つのアプローチが反応を調整した有機物のエミッションを計算するために使用できる。最初のアプローチは、さまざまな燃料、車重カテゴリー、およびエミッション制御カテゴリーに関して公表された反応調整係数を使用する。乗用車に関して、カリフォルニア大気資源局 (CARB)により公表された反応調整係数の値は表11に表示されている。

 

 

 

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