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進及び各国における開発の重複を避け効果的な研究開発を実施することにある。本協定を実施するための機関として、執行委員会(Executive Committee Meeting)が置かれている。この執行委員会は、協定参加各国政府又はその指定する機関(Contracting Parties)が出席し、おおよそ2年に3回の割合で開催されている。実際の個々の研究調査活動は、この執行委員会の下に設置される各アネックス(Annex:付属物という意味であるが、執行委員会の下で行われる個々の研究調査活動のことを指す。通常発足した順で番号を付ける)において実施され、その活動状況は執行委員会において報告される。各アネックスの活動は、そのプロジェクトに関心のある国のみによって行われるとする原則に基づき、二つ以上の参加国を得て開始される。その際、アネックスの運営については1カ国を運営機関(OA:Operating Agent)と定め、その国が責任を持って進めるものとされている。

なお、日本からは政府指定機関として(財)物流技術センター運輸低公害車普及機構(LEVO:Organization for the commercialization of low-emission vehicles)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO:New Energy and Industrial Technology Development Organization)及び(財)日本自動車研究所(JARI:Japan Automobile Research lnstitute)の3機関が、IEA先進燃料協定に参加している。

 

5 ハイブリッド・電気自動車技術・計画に関する協力についての実施協定の概要

電気自動車の優れた低公害性から、IEAのエネルギー研究技術委員会において、1992年5月以降、電気自動車に関する実施協定案が検討されてきた。同年末までの数次の会合を経て、日本と欧米諸国間で電気自動車に関する情報交換及び共同研究を行うための実施協定の締結についての合意がなされ、翌93年11月パリのOECD別館において日本及びカナダの協定調印により発足したものである。その後、オーストリア、イタリア、フランス、オランダ、スイス、スウェーデン、イギリス、米国が参加し、現在参加国は10カ国となっている。

なお、昨今のハイブリッド自動車に対する期待の高まりから、1996年10月に行われた執行委員会にて本実施協定の名称を「ハイブリッド・電気自動車技術・計画に関する協力についての実施協定」(Implementing Agreement for Hybrid & Electric Vehicle Technologies and Programmes)(以下、「IEAハイブリッド・電気自動車協定」という。)に変更された。この協定の目的は、電気自動車に対する世界的な関心を受けて、電気自動車に関する国際共同研究を行うもので、電気自動車の技術・実行計画、試験方法の開発、バッテリーの共同研究等に関する情報交換を行うこととなっている。

本協定の執行委員会は年2回開催され、また実際の個々の調査研究活動はIEA先進燃料協定と同様に執行委員会の下に設置された各アネックスによって行われる。なお、IEA電気自動車協定では当初から6つのアネックスが予定されていたが、IEA先進燃料協定に比べ歴史が浅いこともあって、現在まで1、2、4、5及び7の5つが発効しているにとどまっている。1999年半ばには、ハイブリッド・電気自動車の市場導入に関する新しいアネックス(アネックス8)が正式発足する予定である。

なお、日本からは、LEVO及びNEDOの2団体が、この協定に参加している。

 

 

 

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