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表3.6.1. 水分値計測結果

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3.6.3. 実験結果及び考察

実験に用いた試料(最大粒径19mmのBoakaine鉱)の水分値を表3.6.1に示す。試料番号1番の試料は、剪断強度が充分に大きく、締め固めが不十分だと空隙が多く残り易いと思われる状態に水分値を調製した。なお、試料は見かけ上乾燥した試料に加水してから、一晩たったものである。

これらの試料を用いて、締め固めを行い、円錐貫入試験を実施した結果を表3.6.2に示す。

 

表3.6.2. 締め固め方法と間隙比及び円錐貫入力

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表において、円錐貫入力が"over"とあるのは、円錐貫入力が測定範囲(50kgf)を超えたことを意味する。

試料番号2番及び3番の試料に関する実験結果から、試料の水分値が高くなり、剪断強度が低くなれば、締め固め方法が間隙比及び円錐貫入力に及ぼす影響は有意では無いと言える。よって、締め固め方法を選定するには、剪断強度の高い試料に関する実験結果に基づくのが適当と考えられる。

試料番号1番の試料については、それぞれの締め固め方法について、6回の実験を実施した。この試料では、間隙比及び円錐貫入力は締め固め方法の影響を受けると言える。各締め固め方法に関する6回の実験によって得られた間隙比の標準偏差は、Proctor C法の場合0.0561であるのに対して、Proctor A法の場合0.0098である。また、6回の実験における見かけ密度の最大値と最小値の差は、Proctor C法の場合0.12(平均値の7.4 %)であるのに対して、Proctor A法の場合0.03(平均値の1.6 %)である。このことから、締め固め方法としてProctor A法を用いた法が、試料内の空隙の状態の再現性が高いと言える。よって、締め固めとしてはProctor A法またはこれと同等の方法を基本とすれば良いと言える。同等の方法とは、以下の式で定義される締め固め仕事量が概ね等しくなる方法を意味する。

 

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"over"となったデータを除いて、円錐貫入力の標準偏差を計算すると、 Proctor C法の場合2.92kgf(平均値の10.3 %)であるのに対して、Proctor A法の場合3.66kgf(平均値の8.4 %)である。供試体の間隙比の再現性の高いProctor A法で締め固めを行っても円錐貫入力がばらつくのは、供試体内の比較的大粒の粒子の円錐への当たり具合によると考えられる。よって、容器の寸法としては、今回用いた1□のものよりも大きなものが望ましい考える。

 

 

 

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