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3.6. 剪断強度評価法開発のための予備試験

3.6.1. 予備試験の位置付け

第2章で述べた通り、荷崩れ評価試験法としては、篩い分けした試料を容器に入れた状態で締め固め、円錐貫入試験を実施する方法(篩い分け円錐貫入試験)を予定している。円錐貫入試験装置(昨年度報告書-付録1-4.3節参照)としては、これまで研究に用いてきたもの、即ち、円錐の底面積(最大断面積)6.45cm2(直径約29mm)のものを用いる予定である。そのため供試体を形成する容器の直径は、この円錐の直径に比較して充分に大きいことが望ましく、そうした容器は次年度に製作する予定である。一方、容器の仕様にかかわらず、締め固め方法については充分に検討する必要がある。締め固めの方法としては、静的なタンピングによる方法、突き固めによる方法等があるが、粘土状物質に対しては、突き固めによる締め固めを用いるのが一般的である。そのため、手元にある容器及び突き固めによる締め固め用のランマーを用いて、締め固め方法と円錐貫入試験の再現性等について実験を実施した。

 

3.6.2. 試料及び実験方法

実験に用いた試料は、最大粒径を19mmに調製したBoakaine鉱である。この試料の水分値を適当に調製して、JIS A1201「突き固めによる締め固め試験」用の容器(容積:1□)に試料を挿入し、締め固めを行った上で、試料の重量を計測することにより間隙比を調べ、さらに、円錐貫入試験を実施した。

締め固め方法としては、以下の2種類を用いた。

1] Proctor A法(Standard Proctor法)

JIS、ASTM等で規定され、広く用いられている方法で、土の締め固めに適した方法である。試料の量が1lの場合の締め固めの条件は以下の通り。

層の数:3層

ランマーの重量:2.5kgf

ランマーの落下高さ:0.3m

ランマーの落下回数:一層当たり25回

2] Proctor C法

BC Code Appendix Dに記載されている方法で、液状化物質の見かけ密度の計測等に用いられる。Proctor A法と比較すれば、締め固め作業が容易である。試料の量が1lの場合の締め固めの条件は以下の通り。

層の数:5層

ランマーの重量:0.35kgf

ランマーの落下高さ:0.2m

ランマーの落下回数:一層当たり25回

 

 

 

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