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3.5. 最大粒径と水分値の関係の検討

3.5.1. 水分値の換算方法

ニッケル鉱の剪断強度試験を行う際には、試料の最大粒径を調製する必要がある。試料中から一定上の大きさの粒子を除去すれば、その試料の水分値は、一般に、粒径調製前より上昇する。そのため、最大粒径を調製した試料の水分値のクライテリアから、粒径調製前の試料の水分値のクライテリアを求めるには、水分値の換算が必要である。

水分値の換算方法については、昨年度「裏漉し水分値試験」等を実施して検討した結果、乾燥状態における通過重量の率と、篩上試料(一定以上の大きさの粒子)が含むことのできる最大の水分(篩上試料の最大水分値)の二つのパラメータを用いることが適当であるとの結論に達した(昨年度報告書-付録1-4.6節参照)。即ち、これらのパラメータ(実験値)を用いれば、最大粒径を調製した試料(篩下試料)の水分値から元の試料(粒径調製前の試料)の水分値を求めるのが適当であることを示した。換算式は以下の通り(昨年度報告書-付録1-44ページ(18)式参照)。

 

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この式は、昨年度の報告書で述べた通り、試料の水分値がある程度高い場合は(荷崩れが問題となる範囲では)、篩上試料は含み得るだけの水を含んでいることを仮定に基づいている。

 

3.5.2. 通過重量百分率の計測

通過重量百分率の計測は、試料の準備・調製の際に実施した。計測結果の詳細については、3.3.2節を参照されたい。表3.3.2から水分値の換算に必要な値を抜粋して、表3.5.1に示す。

 

表3.5.1. 通過重量百分率計測結果

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3.5.3. 篩上試料の最大水分値

篩上試料の最大水分値、即ち、所定の範囲の大きさの粒子が含み得る最大の水分値については、昨年度と同様に実験を行った。即ち、粒径調製により得られた所定範囲の大きさの試料を、長期間水に浸し、その表面の水を、ペーパータオルを用いて、一つ一つ素早く拭った後に、その試料の水分値を計測した。結果を表3.5.2に示す。

 

 

 

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