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3.2.3. Pomalaa鉱に関する実験結果

(1) 実験及び手順の概要

篩い分けを行わない試料の円錐貫入試験のため、試料は小型のユンボ(ショベルカー)を用いて攪拌し、厚さ30cm程度に整形していただいた。その際、ユンボによる締め固めは行わず、一回の円錐貫入試験を実施する度に、重さ10kg、底面の直径10cmの鋼製の中実の円筒(把手付き)を同一地点に高さ約30cmから10回落とすことにより、試料を締め固めた。

最大粒径19mmの試料の円錐貫入試験においては、篩い分けを行っていない試料の一部を採取し、これを湿ったまま篩い分けし、昨年度の実験室円錐貫入試験の場合と同様に、試料の間隙を少なくして円筒形の供試体を形成した。

円錐貫入試験は、これまでと同様の手順で実施した。即ち、円錐の上面が試料上面まで達してから、毎秒約1cmの早さで約10cm円錐を貫入させ、その間に示される最大値(円錐貫入力)を記録した。実験に用いた円錐貫入試験装置で計測できる円錐貫入力は50kgfまでである。

試料の水分値を把握するため、一連の円錐貫入試験の前後に、篩い分けを行っていない試料の水分値を計測していただいた。また、最大粒径19mmの試料については、現場で試料を採取してその重量を計測するとともに、船舶艤装品研究所に持ち帰り試料の乾燥重量を計測することにより、水分値を求めた。

水分の調製に際しては、昨年度と同様に、適量の水を加えて、ユンボにより試料を圧しながら攪拌していただいた。

(2) 試料の量及び水分調製

実験では、最初に3,690kgのニッケル鉱を準備していただいた。このうち、159kgは実験室実験用に持ち帰った。また、円錐貫入試験の前に10箇所から106kg、円錐貫入試験の後にも10箇所から120kgの試料を採取し、水分値を計測していただいた。水分値計測用の試料を採取する際には、粒径100mm以上の塊は除いた。なお、水分値は試料を粉砕した上で縮分して抽出した代表試料の値である。

実験の際には、試料の採取量及び加水量を管理し、篩い分けを行わない各試料の水分値は、一連の円錐貫入試験の前後に計測していただいた水分値に基づき算出した。試料の採取・加水の記録及び水分値計算結果を表3.2.1に示す。

 

 

 

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