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3.2. 荷役現場における実験

3.2.1. 実験の目的

本年度の荷役現場における実験の主な目的は、試料の粒径調製を行わない状態で締め固めを定量化した場合の円錐貫入力と、試料の最大粒径を19mmとした場合の円錐貫入力の関係を明らかにすることである。

昨年度の実験結果から試料の最大粒径を19mmとした場合の円錐貫入力に基づきニッケル鉱の種類(産地等)によらない荷崩れ危険性のクライテリアを設定できる見通しが得られている。そのため、粒径調製を行った試料と行わない試料の円錐貫入力の関係がニッケル鉱の種類により異なる場合は、試料の粒径調製を行わない円錐貫入試験ではニッケル鉱の種類によらない荷崩れ危険性のクライテリアを設定することは困難であると考えられる。ニッケル鉱の種類によらないクライテリアが設定できない場合、荷役現場で用いるための荷崩れ評価試験法としては、昨年度当初に考えていた方法(粒径調製を行わない方法)とは別の方法を開発する必要があると言える。

昨年度の荷役現場における円錐貫入試験では、Teoudie鉱を用いた実験と、Gebe鉱を用いた実験で、締め固め方法が異なっていたため、これらの鉱石における粒径調製を行わない試料の円錐貫入力と最大粒径を19mmに調製した試料の円錐貫入力の関係の違いが、必ずしも試料の粒径分布の違いによるとは結論できなかった。そのため、荷役現場における実験では、この点を確認するすることを主な目的とした。この目的のため、粒径調製を行わない試料についても、締め固めを定量化して、円錐貫入試験を実施した。

 

3.2.2. 実験実施場所、日程、試料及び担当者

本年度の荷役現場における実験は、上記の問題点を確認することを目的としていたため、可能な限り早期に実施した。実験はPomalla鉱及びBoakaine鉱について実施した。実験の場所及び日程は以下の通り。

(1) Pomalaa産ニッケル鉱に関する実験

日本冶金工業株式会社大江山製造所

平成10年7月14日〜17日

(2) Boakaine産ニッケル鉱に関する実験

大平洋金属株式会社八戸製造所

平成10年8月18日〜21日

いずれの実験も、実施担当者は、以下の通り。

船舶艤装品研究所 村山雅己

日本海事検定協会 飛延孝男

運輸省船舶技術研究所 太田進

実験ご協力いただいた日本冶金工業株式会社並びに大平洋金属工業株式会社の皆様に、厚くお礼申し上げます。

 

 

 

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