3]セルロースの含水量の違いによる燃焼時間への影響を調査した。
(資料 No.11・16:DATA-7・DATA-4参照)
乾燥状態/+2%水分/+4%水分/+6%水分含有値のCF-11セルロースを作成しW純薬臭素酸カリウムを使用し各混合比率での測定値の調査を行った。
a 水分含有量の増加に伴い、測定時間も長くなっているが、4%で頭打ちが見られる6%で測定値が多少短くなっているのは、平行同時測定ではないので、測定上の技術的問題と考えられる。
b 試験時水分値を0.5%以下に保てれば、結果への影響は考慮しなくてよいと思われる。+2%セルロースで有意差は感じられないが、少ない試験結果及びバラツキの大きさから考えて試験許容水分値を決定することは無理があると考えられる。
c 湿度用件について、測定時湿度は重要であり水分値に直接影響する。湿度の値から測定結果への影響を直接評価するのは困難であるが、湿度を低くコントロールすることは重要であると考えられる。今回は湿度の結果としての燃焼時セルロースの吸湿水分含有量を段階的に増加させ、燃焼時間に与える影響の調査を行った。
4]セルロースの種類の違いによる測定値の比較を行った。
資料 No.13・15:DATA-1・DATA-3参照)
ワットマンCF-11/アドバンテックA/アドバンテックD、についてW純薬臭素酸カリウムを使用し,各混合比率での測定値の調査を行った。
a 形状規格からはアドバンテックAが候補であるが、アドバンテックはA、Dともに3:2比率の測定値に、国連参考値データ曲線との隔たりが見られた。燃焼後期の燃え方にもCF-11と大きな違いが見られ、終了時の燃え方が長引く事が判明している。
b 片寄りは見られるが、グラフの燃焼カーブ特性が国連参考値と近似しているCF-11の使用が試験上好ましいと判断される。
5]臭素酸カリウムの代表としてW純薬製品、セルロースの代表としてワットマンCF-11を選択し各混合比における10回の繰り返し測定を行った、また、日をかえて3回測定を行い、日間変動を調査した。
(資料 No.13:DATA-1参照)
a 各測定ごとに異常値は散見されるが、測定内容から考えると繰り返し精度も日間変動も妥当と判断される。異常値を除外すれば5回測定の平均値を報告値として差し支えない。
b 日間変動平均値は、同一日繰り返し誤差内であり特に問題はなかった。
c 国連参考値との比較では、明らかに有意差が有り、今回の測定値のほうが長い燃焼時間となっている,これは、合計9個の平均値すべてがそうであり、DATA-2にある他社製臭素酸カリウムを使用した結果でも変わらず、片寄りと判断できる。
数値としては、割合ではなく3混合比ともに、国連参考値に15秒位の上積みで測定されており3:2比率混合物の国連参考値の4秒(スイッチオン〜)と言うデータは、試験実施者としては、この条件で整合させることは困難と判断した。