また、彼は介護保険の短所として、痴呆性のある老人や一日中淋しく車椅子に座っている者が対象になっていない(落ちこぼれが多い)と指摘している。
<要介護者を抱える家族等の評価>
最後に、家庭における介護者、要介護者の意見を幾つか紹介したいと思うが、それはそれぞれに千差万別、十人十色である。しかし、介護保険導入そのものについては、ほとんどの者がおよそ肯定的に評価していた。つまり、すべての費用がカバーされると期待してはいけないが、「介護保険」が導入されてよかった、と答えるものが多かった。とりわけ、長い間介護し続けてきている人は、現物給付(プロのヘルパー)によって何時間か自分の時間ができたことの喜び、また、在宅介護サービス機関を選べることも家族には良い評価を与えている。(ちなみに、ドイツでは10日間の契約廃棄の予告で機関を変更することができる)。