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を経た現在、介護保険をどう見ているかを先ず紹介する。答えてくれたのは、その基本原則作りを担当した課長のバーダー氏で、1998年8月の時点で保険導入後3年半の総評価(何点かにしぼって)である。ドイツ型介護保険についての作成者の基本的考え方がここに集約されていると思われる。

〈政府関係の公的見解〉

1) 介護保険導入の総合評価:

「程度認定も、財政も期待した通りであった。特養施設での採算などの問題もあろうが、市場経済原則がそもそもの目的だった。介護保険が存在しなければ、私は今日でもその導入に賛成するだろう。」

2) 「痴呆性老人の認定」の問題について:

「痴呆性要介護者認定の問題は確かに難しい問題である。しかし、『要介護者』の定義を『日常生活』に援助を必要とするものと決めてしまった以上(図表33参照)、これで通した方がいいと思う。但し、この枠を越えるとなると、財政的に苦しくなる。」

 

図表33 ドイツおよび日本の要介護者の定義の比較

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3) 「三つの要介護程度」について:

「ドイツの三つの要介護程度で十分だと思う。訪問介護等援助時間で言っても、疾病金庫のメディカル・サービス(MDK)の認定訪問は30分位でしかないし、詳しくやれば、この間の程度も決めなくてはならない。日本の場合のように、5区分もあると、4から5に移りたがる希望者が増えるのではないだろうか。」

 

 

 

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