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また、コミュニティと施設サービスの資源発展・開発のあと、先進諸国の例を参考にしてケース管理モデムを創設すべきである。こうすることにより、国民のニーズに対応しもっと効率的なサービスを提供することができるし、長期介護の提供を有効的に促進し、高齢者の連続的ケアの獲得が保障できるのであろう。

去りつつある20世紀は、台湾においても人口変化が激しく、それは社会変動にも大きな影響を与えた。来る21世紀に高齢人口の激増は再び台湾社会を変革させるのであろう。特に長期介護のニーズは大幅に増加することは避けられないから、適切な長期介護体系を構築することはもっとも重要なことであろう。以上、わが国の長期介護問題について、介護の目標、資源開発、財政企画及び組織管理における提言は、これからの長期介護政策の発展に些かでも貢献できればと思う。

 

2. シルバー人材資源の利用

 

劉梅君(1995)が台湾の高齢人材資源の利用状況について調査した資料によると、台湾では政府にしても民間にしても高齢人材の関連施策は断片的で、全体性と未来性についての計画がほとんどみえない。その原因はわが国では高齢化社会の具体的制度・政策・対策に指導できる整備された高齢政策は存在していないからである。日本は1986年「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」を制定した。雇用主に高齢者雇用を義務づけさせ、行政指導などを通して、企業の高齢者雇用の意欲を奨励し、また各種の組織団体を通して推進している。

台湾では、現行の老人福祉施策は高齢者再雇用のサービスを提供しているが、日本のような政策は実施されていないから、具体的な対応策が発揮できない。台湾の高齢者の再就職問題を解決するために、社会が「老年」に対して持っているマイナスイメージをかえさせる、関連法令を制定する、高齢労働者の特質と雇用市場の短期・中期・長期状況及び人手不足の職業について調査する、高齢者にふさわしい仕事を開発する、制度的に適切な指導を支援するなどが可能である。同時に、各地の職業訓練の電信通信をつないで、高齢求職者の基本資料のデーターベースを作り、企業の需要に対応していく。

また、行政は企業の実施する在職高齢訓練、雇用安定施策を積極的に奨励し、高齢人材資源の管理対策を実施する。しかし、高齢者の雇用訓練の投資報酬率が限定されているから、一般的に、企業の実施する意欲は必ずしも高いとはいえないので、政府は奨励方法を制定することによって企業の高齢者在職訓練を応援することができよう。

 

 

 

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