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2.高齢人口の再就職のニーズ

 

現在台湾の高齢者の教育レベルは高いとはいえないし、経済活動に携わる高齢者は主に体力労働をしていたから、高齢者の労働価値は雇用者や一般の人から疑われている。たとえば高齢者の効率が低い、新しい知識を受け入れる意欲が低い、適応しにくい、頑固でコミュニケーションが取れにくい、市場競争にふさわしくない等と思われている。しかしこれらの高齢者に対するイメージは事実とかなりすれ違っているといえよう。研究によると、高齢者の欠席率・流動率・職業上の災害率・疾病率は低く、まじめで信頼できる、法律を守る、仕事に対する満足度が高い、肯定的な価値観をもっている(林顕宗1992;「台湾地区中高年労工統計」)。しかし、雇用者は高齢者に対して、ステレオタイプを持っているから、なかなか受け入れてもらえない。このことはシルバー労働力の利用からみれば入力の浪費といえない。

 

表6 1996年台湾地域大都市高齢人口の雇用状況―性別・年齢別・機能障害別の比率

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注:ADLは入浴、着替え、食事、寝起き、立ち、座り、室内で動く、トイレヘ行く等の項目をさす。IADLはと日常用品の購買、金銭管理・支払い、一人で入浴、一人で交通機関を利用、200〜300メートルを歩く、うちの周辺で重い仕事をする(溝、窓の掃除)、床の掃除・茶碗洗い・ごみ捨て等軽いことをする、電話をかける等の項目をさす。

1、困難はない:以上の項目をするのは困難はないこと。

2、やや困難:以上の項目のなか1つ以上は困難。

3、とても困難:以上の項目のなか1つ以上やや困難あるいは全然できないこと。

*常勤、兼職、仕事を持っているがしばらくやっていない者を含める。

#仕事はない、専業主婦(料理、洗濯、子供の世話をする)、家族の農業や商売を手伝う者を含める。仕事を持っているとはいえない。

資料:表2と同じ

 

 

 

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