1. 要介護老人の需要と供給
(1)長期介護
Kand and Kane(1987)の定義によると、長期介護の主な介護対象は慢性傷病が原因で身体機能に障害を起こす者であり、介護は医療、ケア、リハビリテーション、生活援助及び社会支援を提供している。一般的に、ADLs(activities of daily living, 日常生活動作-入浴、着替え、食事、寝起き、立ち、座り、室内で動く、 トイレヘ行く等)及びIADLs(instrumental activities of daily living-買物、金銭管理、外出、電話をかける、軽い家事をする等)から身体機能障害者であるかどうかを判断する(Guralnik and Simonsick,1993)。本文では上述したADLsとIADLsのなか、1つ以上の項目がやや困難ととても困難を軽度要介護高齢者か重度要介護高齢者かを判定する基準にする。