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表2-14に、移動前の福祉サービス利用の状況と健康状態との関連を示した。老研式活動能力指標との関連をみると、いずれの者も在宅福祉のみを利用していた者の得点が低く、入所していた者の得点が顕著に低かった。利用状況別にグループ間比較すると、市内転居者の方が在宅福祉のみを利用していた者の得点が高かった。

介助の必要度との関連をみると、いずれの者も、在宅福祉のみを利用していた者の得点が高く、また入所していた者の得点が顕著に高かった。利用状況別にグループ間比較すると、市内転居者の方が在宅福祉のみを利用していた者の得点が低く、老研式活動能力指標と同様の傾向がみられた。したがって転入者、転出者は市内転居者と比較して、在宅福祉サービスを利用していた者の日常生活能力が低いことが示された。

傷病の有無との関連をみると、いずれの者も福祉サービスを利用していた者の方が有病率が高かった。利用状況別にグループ間比較すると、利用していなかった者では転出者で有病率が若干低かった。

 

表2-14 移動前の福祉サービス利用の状況と健康状態との関連

 

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(2)移動後の福祉サービス利用の状況

 

表2-15-1表2-15-2に移動後の福祉サービス利用の状況を示した。福祉サービスを利用していない者の割合は、転入者77%、転出者70%、市内転居者81%で、転出者の福祉サービス利用率が高かった。在宅福祉のみを利用している者の割合は、転入者18%、転出者14%、市内転居者15%で、グループ間で大きな差はみられなかった。入所している者の割合は、転入者6%、転出者16%、市内転居者4%で、転出者の利用率が顕著に高かった。福祉サービスの利用状況を詳しくみると、転出者で特別養護老人ホームへの入所、他の老人ホームヘの入所の割合が大きく、転入者でその他の福祉サービスの利用率が高かった。したがって移動後の福祉サービス利用に関しては、転出者は他の者と比較して、特別養護老人ホームなどに入所している傾向があることが示された。

 

 

 

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