もに、市内転居者で得点が低かった。したがって市内転居者は他の者と比較して、介護を受けていた者の日常生活能力が高いことが示された。傷病の有無との関連をみると、いずれの者も介護を受けていた者の方が有病率が高かった。また介護を受けていなかった者では転出者で有病率が低く、市内転居者で有病率が高かった。しかし介護を受けていた者では、グループ間で有病率に大きな差はみられなかった。
(2)移動後の被介護状況
表2-11に移動後の被介護状況を示した。介護を受けている者の割合は、転入者21%、転出者23%、市内転居者18%で、グループ間で大きな差はみられなかった。介護を受けている者の介護者に関しては、転入者は配偶者の介護を受けている者の割合が小さく、娘の介護を受けている者の割合が大きかった。また市内転居者は配偶者の介護を受けている者の割合が大きかった。性、年齢との関連では、いずれの者も女性、高齢の者ほど介護を受けている者の割合が大きい傾向がみられた。
性別で比較すると、男性ではグループ間で大きな差がみられなかったが、女性では転出者で介護を受けている者の割合が若干大きかった。年齢階級別で比較すると、65〜69歳では転入者で介護を受けている者の割合が小さく、85歳以上、後期高齢者では転出者で介護を受けている者の割合が大きかった。
老研式活動能力指標との関連をみると、いずれの者も介護を受けている者の得点が顕著に低い傾向がみられた。被介護の有無別にグループ間比較すると、介護を受けている者では市内転居者で得点が高かった。介助の必要度との関連をみると、介護を受けている者の方が得点が顕著に高い傾向がみられた。被介護の有無別にグループ間比較すると、介護を受けていない者、受けている者ともに、市内転居者で得点が低かった。したがって市内転居者は他の者と比較して、介護を受けている者の日常生活能力が高いことが示された。傷病の有無との関連をみると、いずれの者も介護を受けている者の方が有病率が高かった。また介護を受けていない者では市内転居者で有病率が高かったが、介護を受けている者ではグループ間で有病率に大きな差はみられなかった。