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高齢者居住移動の調査研究について

 

エイジング総合研究センターは、大都市等自治体の協力を得て平成2年以来、高齢者の居住移動の実態調査と研究分析を行っている。これまでの調査研究によって、この新しい社会現象といわれる高齢者移動の形態について、加齢に伴う移動率の上昇、保健や生活の利便性を求める移動者の増加、等々多くの実態を明らかにしてきた。しかし、その一方で、この数年来、高齢者移動数の増加に伴い、移動行動の自主性、積極性が目立つ等、さらに新しい高齢者の行動も報告されている。

また、周知のように本調査研究の成果は、高齢社会の新現象として、マスコミ等の関心をあつめ、本調査研究による資料がマスコミ報道にも用いられている。とくに高齢者の移動が保健福祉サービス等地域社会に大きな影響を及ぼすため、高齢者の移動行動が地域社会環境の評価に繋がると言及する関係者もあり、その視点からの究明も求められている。

高齢者のライフスタイルが急速に変化していると言われている今日、高齢者の移動とくに自主的な居住移動を追求することは、高齢者の新しい生活行動を究明し得る極めて実態的題材であり、今後の高齢社会の在り方について必要な資料も提示できると期待される。その意味では、マスコミ関係者も評価するように本調査研究に取り組んだことの意義は大きい。

現在の本調査研究については、当初予想しえなかった成果と発展を見せているが、研究に携わる各位にさらなるご尽力をお願いしたい。

本調査研究とくに研究分析についてご支援賜っている日本財団も、本研究には、多大なご理解を賜っていることから、より一層高齢社会とくに地域社会に役立つ成果を提供できるよう期待する。

 

平成11年1月

 

社団法人エイジング総合研究センター

理事長 高木文雄

 

 

 

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