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6.音・臭い・色

  エンジンを運転している時は、常に計器に注意することは当然ですが、色・音(振動)臭いに対し五感を働かせることも大切です。もし異常を感じたら、直ちにその原因を確かめる必要があります。その原因と考えられることを以下に示します。

(1) 排気ガスの色が濃い
 正常な運転状態では、排気ガスは殆ど無色に近いのが普通です。もし排気ガスの色が極端に濃くなった場合には、燃焼の状態が良くないことを示していますので、直ちにその原因についての点検が必要です。
? 過負荷運転。
? 燃料弁の噴霧状態が悪い。
? 圧縮圧力が不足。(前出)
? 過給機の故障、機関室の換気不良、エアーフィルタ汚染等による給気不足。
(2) 異常音(振動)の発生
 通常はリズミカルな音で運転されていますが、時にその中に異常な音の発生を耳にすることがあります。音が発生する原因、音の種類はいろいろあり直ぐに特定することは困難ですが、直ちに音の発生箇所を確認することが必要です。異常音が発生すると思われる箇所を以下に示します。
? 過給機の故障。
? ポンプ、オルタネータ(発電機)などの軸受の破損。
? ポンプ、オルタネータ(発電機)などを動かすベルトのスリップ。
? 吸排気弁のタペットクリアランス調整ネジのゆるみ。
? 燃料不良のシリンダがある。
? プロペラの損傷。
? 機器取付け部のゆるみ。
(3) 臭いについて
 燃えたような臭い、焦げたような臭いを鼻にすることがあります。いずれも大事にいたる寸前に起こりますので急いでその箇所を確認する必要があります。
? 燃料管が破損して燃料が噴出、排気管等にかかって焼けている。
? 潤滑不良などが原因で、エンジンの軸受部等に異常が発生している。
? 排気ガスが洩れている。
? 過負荷運転などでエンジンが過熱し塗料が焦げている。
? ポンプ、オルタネータ(発電機)などの軸受に異常が発生している。
? ポンプ、オルタネータ(発電機)などを駆動するベルトがスリップしている。
? 電気系統のコードやケーブルの接続部が発熱している。

 

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