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(1)荒天準備

 航海中、気象海象等の変化に留意し、天候の悪化が予想される場合は、十分余裕のある時期に荒天準備を完了させておきます。

 ?移動物の固定

 船体動揺により落下又は移動する恐れのある物品等を収納・固縛等の方法で固定させます。

 ?船体の安定

 船体傾斜があれば、重量物等の移動により船体傾斜を正し、甲板上の重量物は甲板下に移動し重心を下げる等、船体の安定を図ります。

 ?遊動水の排水・調整等

 ビルジ及び清水タンク等の遊動水は、船体動揺に伴い移動し、船体傾斜を増長させます。船底ビルジは極力排水し、タンク内の清水・燃料等は左右均等となるように調整します。

 ?排水口の確認

 荒天時、船内に打ち込んだ海水等が円滑に船外に排出されるか、排水口の確認を行います。特に、排水口に異物が詰まっていないか、物品が排水口を塞いでいないかを確認します。

 ?開口部の閉鎖

 ハッチ・窓・扉等、海水が打ち込む恐れのある開口部を閉鎖します。機関の吸気口・通風筒等は、可能であれば風浪下側に向ける等の措置を行います。

 ?リーフ準備

 ヨットは、ストーム用セールの準備又は、メンセールを必要なリーフポイントまで即リーフ可能な状態とします。

 ?ライフラインの準備

 船上で移動する場合に備え、ライフライン(命綱)の展張及び八一ネス着装準備を行います。

 ?救命胴衣の着装と救命設備の点検

 救命胴衣は必ず着装します。又、救命設備の点検準備を行います。

 ?避難港の選定

 荒天に遭遇した場合、可能な限り最寄りの港等に避難し、天候回復を待つのが安全運航の鉄則です。
 予想される風向風力・波浪等に十分対応できる錨地又は港等を事前に調査し、状況の変化に即応できる避難港等の候補地を選定しておきます。

 ?情報交換と連絡

 所属マリーナ等と連絡を密にし、自船の位置・航行状態を通報すると共に、付近航行船舶の動静把握に努め、必要な情報交換を行います。

 

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