航海中、気象海象等の変化に留意し、天候の悪化が予想される場合は、十分余裕のある時期に荒天準備を完了させておきます。
?移動物の固定
船体動揺により落下又は移動する恐れのある物品等を収納・固縛等の方法で固定させます。
?船体の安定
船体傾斜があれば、重量物等の移動により船体傾斜を正し、甲板上の重量物は甲板下に移動し重心を下げる等、船体の安定を図ります。
?遊動水の排水・調整等
ビルジ及び清水タンク等の遊動水は、船体動揺に伴い移動し、船体傾斜を増長させます。船底ビルジは極力排水し、タンク内の清水・燃料等は左右均等となるように調整します。
?排水口の確認
荒天時、船内に打ち込んだ海水等が円滑に船外に排出されるか、排水口の確認を行います。特に、排水口に異物が詰まっていないか、物品が排水口を塞いでいないかを確認します。
?開口部の閉鎖
ハッチ・窓・扉等、海水が打ち込む恐れのある開口部を閉鎖します。機関の吸気口・通風筒等は、可能であれば風浪下側に向ける等の措置を行います。
?リーフ準備
ヨットは、ストーム用セールの準備又は、メンセールを必要なリーフポイントまで即リーフ可能な状態とします。
?ライフラインの準備
船上で移動する場合に備え、ライフライン(命綱)の展張及び八一ネス着装準備を行います。
?救命胴衣の着装と救命設備の点検
救命胴衣は必ず着装します。又、救命設備の点検準備を行います。
?避難港の選定
荒天に遭遇した場合、可能な限り最寄りの港等に避難し、天候回復を待つのが安全運航の鉄則です。
予想される風向風力・波浪等に十分対応できる錨地又は港等を事前に調査し、状況の変化に即応できる避難港等の候補地を選定しておきます。
?情報交換と連絡
所属マリーナ等と連絡を密にし、自船の位置・航行状態を通報すると共に、付近航行船舶の動静把握に努め、必要な情報交換を行います。