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(2) 荒天航行

 荒天時、船体を不安定にする一番の要素は、強風と高い波浪です。例えば風速10mの場合、風圧は1?あたり(平坦な面に対し)約10?の力が加わります。
 風速と風圧の関係は、風速の2乗に比例し、風速20mになると約40?と単位面積に加わる風圧は飛躍的に増大します。従って、ヨット及び風圧面積の大きな船舶は十分な注意が必要です。
 波浪は復原力に大きく影響します。有効な復原地からは水洗下の船体面積が大きいほど安定していますが、船体が波頭の頂部に押し上げられた状態の時、船首尾付近の水線下面積が減少し、不安定な状態となり復原力は減少します。
 又、波浪は、強風の継続時間に比例し短時間で増大していきます。強風の吹き荒れる海域に長時間とどまることは非常に危険です。

図1 船体が安定した状態 図2 船体が不安定な状態

 

図3船舶に与える風速と風圧の関係 P:(1/2)CpV2

船舶に与える風速と風圧の関係を示したもので、実験式で見るように風速の2乗に比例している。
 横軸で風速(メートル)を示し、縦軸で風圧の単位面積に加わる力を表している。
 中央の曲線を見ると、風か強まると●力が飛躍的に増大することがわかる。
P 風圧
V 風速
C 表面の形、凹凸状態により異なる抵抗係数
p 空気の密度
(1/2) Cp=0.1?/?

 

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