(1)事故発生直後の対応
事故発生時は、突然の衝撃`機関停止等、予期しない事態に驚き、我を忘れ興奮状態になるのが普通です。深呼吸一番、先ず落着き、冷静さを取り戻して下さい。
?機関を停止する。
直ちに機関を停止し、状況が確認されるまで機関の使用は避けます。不用意な機関使用により、推進器・機関を損傷し使用不能となった事例は数多くあります。
?人命の異状の有無を確認する。
衝撃による落水及び怪我人の発生が予想されます。乗組員等の異状の有無を確認します。
?船体機関等の損傷の有無を確認する。
船体・機関・操舵装置等の異状の有無を調査確認し、損傷又は浸水が認められた場合、応急措置の可否を早急に判断します。
?救助依頼を行う。
救助機関及び関係先に事故発生通報と、救助依頼を行います。
?緊急度を判断する。
応急措置の成否・気象海象の状況・乗組員等の状況・救助手配の有無等から、事態の緊急度を予測し、必要な対応策を検討します。
?指揮命令権を明確にする。
指揮命令権者を明確にし、乗組員等が勝手な行動をとらないようにします。
?不用意な退船を避ける。
緊急時以外は、海上への脱出(退船)を避けます。不用意な退船は、人命を危険に曝すだけでなく、船体等の損傷を増加させる結果となります。
特に、夜間の場合、転覆等の不安感から周囲の状況を確認せずに海上に脱出し、潮流や風浪に流され、命を失った事例は数多くあります。また陸岸が比較的近い場合十分泳ぎ着ける距離と錯覚します。陸岸の形状や風潮流によっては非常に危険です。事前に十分調査し、軽挙な行動は慎んで下さい。
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