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 平成11年の年頭に当たり、謹んで御挨拶申し上げます。

 社団法人関東小型船安全協会の会員の皆様におかれましては、輝かしい新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。

 また、皆様には平素から海上保安業務に対し格別の御理解と御協力を賜り厚くお礼申し上げます。
   さて、当管内の要救助海難の発生状況を見ますと、貨物船やタンカーなどの一般船舶の海難は、横ばいか、減少傾向にあるものの、海洋レジャーの進展に伴い、平成元年頃からプレジャーボート等の海難が急増し、平成9年では全体の3分の2を占めるに至っています。

   この傾向は、平成10年においても続いており、プレジャーボート等の海難が依然として多発しております。

 プレジャーボート等の海難の原因を見ると90%近くが「ヒューマンエラー」によるものであり、プレジャーボート等による海難の大半が機関故嘩や推進器障害であることを考えますと出港前の点検などを励行していれば、そのほとんどが未然に防止できた海難であると言えます。

   このような状況下にあって、貴協会が実施されている海難防止活動の重要性が高まるばかりとなっており、貴協会が平成9年に実施された「事業活性化検討専門委員会」での検討の成果が具体化され、その事業が増々活発なものとなることが望まれております。

 既に、東京湾におけるプレジャーボート等に対する航行安全対策のための東京湾海岸局の整備事業は、今年度内に開局すべく、鋭意作業を進めているとお聞きしているところであり、プレジャ一ボートの航行安全に大きく寄与できるものと期待しているところであります。

 

 

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