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平成10年度日本財団補助事業「小型船舶の安全確保」実施計画


 一方では、この海域は、阪神地区と西日本の経済圏とを結ぶ海上輸送の大動脈でありまして、一日数千隻にも及ぶ多種 多様な船舶が行き交っております。また、優秀な漁場であり、昔から様々な漁業が行われています。
 狭い海域に、交通の場、生産の場あるいは心身のリフレッシュの場としての海の利用が幾重にも重なり合い、このため プレジャーボートと漁船との衝突海難の発生等各利用分野の利害が厳しく対立している場面も生じております。
 当管区としては、港湾計画の改定や沿岸部のプロジェクトの計画の際、船舶の航行の安全を図るため、各種協議会や検 討会において、各利用分野の意見を幅広く取り入れるべく努力していますが、海の利用の先発組である海上交通や漁業の 分野では、海運組合や漁業組合の様な利益代表団体が強力な影響力を発揮している反面、プレジャーボートを中心とする 小型船の場合は、発言の機会さえなかなか与えられないのが実情ではないかと思います。
 このような中、約7千人にも及ぶ会員を擁し、組織的、統一的な安全活動を実施している貴協会の存在は、誠に心強い ものがあり、大いに期待しているところではおりますが、海事関係者の中での影響力と言う見地から見れば、もう一歩と いう気がします。
 海洋レクリエーションやマリンスポーツは、いまや海で完全に市民権を有しており、海上の安全は小型船を抜きにして は語られません、貴協会がますます発展し、社会的発言力を強化出来るよう、当管区としてもできる限りの支援をしてい く所存でありますが、一層のご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。
 最後に、瀬戸内海小型船安全協会の発展とご列席各位のご健勝を祈念いたしまして挨拶といたします。

    
 瀬戸内海小型船安全協会では、海洋性レクリエーションの健全な発展 をめざし安全で快適な海洋レジャーを楽しむために、会員の皆様と共に安全思想の普及、海難の未然防止、運航マナーの向上などに関する活動 を行っております。

 皆さんも、この主旨をご理解いただき、ご協力をお願いします。

 なお、本誌に対するご意見・ご要望をお待ちしております。


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