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体育科学センター第12回公開講演会講演要旨/幼児の身体的発達と運動


幼児の身体的発達と運動


石河利寛*

1.発達の概観
 受精卵が母親の子宮内に着床した後,胎児の発達と分化はすみやかに進行し,約40週後に分娩によって出生する.出生児の身長は約50cm,体重は約3kgである.胎児の時期は栄養,排泄を含めて生活のすべてを母親に依存し,母親から離れて生活することができない.
 出生後胎児は新生児となって生活をする.生後2年くらい迄は胎児の続きとしてしばらく発達が盛んである.出生直後は親から物理的結合はたち切られたが,まだ独立性が乏しい,生後半年くらいで起こる離乳によって,栄養の面で母親の支配を脱し,満1年からの歩行によって空間的に母親から離れることが可能となる.
 満2年以後になれば,身長,体重の発育が安定する.また,言語による意志の伝達が行われて,保育園,幼稚園に通園して監督者の下に集団生活ができるようになるが,まだ事故による健康阻害の危険が大きい.

表1 年齢別死亡率(人口10万対)−昭和56年



2.スキャモンの発育曲線
  脳神経感覚器などは他の器官よりも早期に発達が起こる.

図1 スキャモンの発育模式図
(成人を100とする)



*順天堂大学
於:国立教育会館大会議室 昭和59年7月14日



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