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体育科学センター第11回公開講演会講演要旨/日本人の身体発育とその将来像


2)身体発育の将来像
 身体発育は将来どのように変っていくのだろうか.あるいは変らないのであろうか.何千年,何万年という将来については全く論ずることもできないが,近未来たとえば21世紀の身体発育については,これまでの年次推移からある程度の推測はできるように思う.ただし,これは社会情勢にさほど大きな変化がみられないという前提のもとでの推測である.
 図16は6歳児の身長の年次傾向線から西暦2000年の身長を推測したものである.いささか複雑な検討を専門的な立場から加えることにより得られた西暦2000年の推計基準は表4のとおりである.そして,図17に示すとおり,これらの数字は1960年代の英国の数値と思春期に入る前までは一致しており,思春期においては,やや,この推計値が高くなるが,最終的には再び過去の英国の値にも及ばないことがわかる.やはり人種による要因はかなり大きいものと考えるべきであろう.



図17 英国の身体発育基準(1966)との比較


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