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体育科学センター第11回公開講演会講演要旨/日本人の身体発育とその将来像


3.日本人乳幼児の身体発育とその年次推移
1)乳幼児身体発育値と小児保健活動
 乳幼児の身体がどのように大きくなっていくかを客観的に評価するためには,判断の目安となる基準が必要である.厚生省では近年,10年ごとに全国調査を行い,その結果にもとづいて乳幼児身体発育値(身長,体重,頭囲,胸囲)を公表し,小児保健活動に役立てている.
 表1は,わが国における乳幼児身体発育値の種類とその内容を示したものである.現在,発行されている母子健康手帳には,昭和55年乳幼児身体発育値のうち,身長と体重につき,10パーセンタイル(以後p.と略称する)と90p.の発育曲線が示されている.図4がそれである.
 また,保健所などで小児科医や保健婦が保健指導を行う場合には,図5に示すような保健指導用の発育曲線を用いている.身体発育の経過には個人差が大きいので,育児のうえで余計な心配をかけないよう,一般用としては粗いものを用い,専門的な指導用としては細かいものを利用しているわけである.
 なお,パーセンタイルとは百分位のことで,数値の小さい方から数えて何パーセント目に当たるかを示したものである.また,身長については,臥位で測るか立位で測るかにより2歳の時点で段差があることに留意されたい.10p.未満および90p.をこえるものについては,経過を観察しながら専門家のアドバイスを受けるよう指導している.


表1 わが国にあける乳幼児身体発育値とその内容



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