日本財団 図書館


体育科学センター第11回公開講演会講演要旨/日本人の身体発育とその将来像


2.身体発育の経過と発育曲線
 身体発育に関する専門的な研究分野のなかでは,生理的な発育の段階に基準を合わせた生理学的年齢や,いろいろな身体計測値の間の相互関係を示す相対成長など,必ずしも暦のうえの時間の経過つまり暦年齢とは直接的に結びつかない検討課題もある.しかし,一般的には,時間の経過とともに,身体の形や大きさがどのように変化していくかということを身体発育の課題として考えるのが普通である.  身体発育の状況を正しく把握するためには,発育の一般的な経過を知る必要がある.そのためには,身体の大きさの年齢的な変化を発育曲線として表現し,そのパターンを検討するのが普通の方法である.例示として最もよく用いられるのは身長や体重などの発育曲線であろう.図2は身長の発育曲線の模式図であり,図3は人間の身長の発育速度曲線とラットの体重の発育速度曲線とを比較したものである.



図2 身長の発育曲線模式図



 図3a 人間の身長発育速度   図3b ラットの体重発育速度


前ページ    目次へ    次ページ





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION