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 3.下肢筋力と歩行パラメータの関係
 図4は膝伸展力と歩行パラメータの関係を示したもので,膝伸展力の値によって100N未満群,100N群(100N以上150N未満)というように50Nごとに被験者を分類し,350N以上群まで7群の各平均値でプロットした.歩行速度は,自由歩行,全力歩行ともに,膝伸展力が250N以下になると低下し,250N群との比較において自由歩行では100N群(p<0.05)と100N未満群(p<0.01)が,全力歩行では150N群(p<0.05),100N群,100N未満群(p<0.001)が有意に低い値を示した.歩幅は自由歩行,全力歩行ともに,膝伸展力が200N以下になると低下し,250N群との比較において自由歩行では100N群(p<0.01)と100N未満群(p<0.05)が,全力歩行でも100N群(p<0.001)と100N未満群(p<0.05)が有意に低い値を示した.歩調については膝伸展力の7群間で有意差が認められなかった.
 図5は足底屈力と歩行パラメータの関係を示したもので,足底屈の値によって200N未満群,200N群(200N以上300N未満)というように100Nごとに被験者を分類し,700N以上群まで7群の各平均値でプロットした.歩行速度と歩幅は,自由歩行,全力歩行ともに,足底屈力が400N以下になると低下し,400N群との比較において自由歩行,全力歩行ともに200N未満群で有意に低い値(p<0.001)を示した.歩調については足底屈力の7群間で有意差が認められなかった.
 図6は足背屈力と歩行パラメータの関係を示したもので,足背屈力の値によって100N未満群,100N群(100N以上150N未満)というように50Nごとに被験者を分類し,300N以上群まで6群の各平均値でプロットした.歩行速度は,自由歩行,全力歩行ともに,足背屈力が150N以下になると低下し,自由歩行では100N群が150N群より有意に低い値(p<0.01)を示し,全力歩行では250N群との比較において100N群(p<0.01),100N未満群(p<0.05)で有意に低い値を示した.歩幅も速度と同様,自由歩行,全力歩行ともに,足背屈力が150N以下になると低下し,自由歩行では100N群と100N未満群が150N群より有意に低い値(p<0.05)を示し,全力歩行では250N群との比較において100N群(p<0.01)と100N未満群(p<0.05)で有意に低い値を示した.歩調については足背屈力の6群間で有意差が認められなかった.




図4
自由歩行(丸)と全力歩行(四角)にお
ける歩行速度,歩幅,歩調の膝伸展力
との関係,プロットは膝伸展力50Nご
との平均値(右端のプロットは350N以
上の平均値)で,縦線と横線は標準偏
差.図中の数字は被験者数.250N群(矢
印)との差の有意水準をa(p<0.05),b(
p<0.01),c(p<0.001)で示した.
図5
自由歩行(丸)と全力歩行(四角)にお
ける歩行速度,歩幅,歩調の足底屈力
との関係.プロットは足底屈力100Nご
との平均値(右端のプロットは700N以
上の平均値)で,縦線と横線は標準偏
差.図中の数字は被験者数.400N群(矢
印)との差の有意水準をc(p<0.001)で
示した.

図6
自由歩行(丸)と全力歩行(四角)における歩行速度,歩幅,
歩調の足背屈力との関係.プロットは足底屈力50Nごとの
平均値(右端のプロットは300N以上の平均値)で,縦線と横
線は標準偏差.図中の数字は被験者数.自由歩行は150N群
(矢印),全力歩行は200N群(矢印)との差の有意水準をa(p
<0.05),b(p<0.01)で示した.


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