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 3.歩行測定
 歩行は,いわゆる「自由歩行」と「全力歩行」の2条件とし,自由歩行は「気持ちの良い速度で普通に歩いて下さい」,全力歩行は「無理のない範囲で,できるだけ速く歩いて下さい」という指示を口頭で伝えて行わせた.歩行距離は10mとし,スタートから3.5mの地点から6.5mの地点までの動作を,被験者の右側方10mの地点に設置したビデオカメラによって毎秒60コマで撮影し,歩行速度,歩幅,歩調の計測を行った.

 4.統計処理
 加齢や筋力に伴う変化については,分散分析を行った上で,多重比較検定(BonferrOni/Dunn)を行い,5%水準をもって有意とした.統計処理は,SPSSV7.5 for Windowsのパッケージソフトを用いて行った.

 研究結果
 1.加齢に伴う筋力の変化
 膝伸展力は60歳以後に顕著な低下を示し,40歳群が295Nで最も大きく,80歳群が149Nで最小であった(図2).40歳群と比較すると60歳,70歳,80歳群が有意に低い値(p<0.001)を示した.足底屈力も40歳群が672Nで最も大きく,80歳群が288Nと最小値を示し,加齢とともに直線的な低下を示した.40歳群と比較すると60歳,70歳,80歳群が有意に低い値(p0.001)を示した.足背屈力は60歳から低下を示し,40歳群が226Nで最も大きく,80歳群が143Nで最小値を示し,40歳群より有意(p<0.001)に低かった.



図2
膝伸展力,足底屈力,足背屈力の年代別平均値.縦線と横線は標準偏差.
40歳群(矢印)との差の有意水準をa(p<0.05),b(p<0.01),c(p<0.001)で示した.



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