2.筋力測定
本研究では,図1に示した測定装置を作成して,膝伸展と足底屈,足背屈の等尺性最大筋力を測定した.
膝伸展力の測定では,被験者を椅子に座らせ,足関節に牽引用のベルトを装着し,膝関節が90°屈曲位になるようにベルトに連結した鎖の長さを調節するとともに,張力計が水平に牽引される様に鎖の高さを調節し,固定した(図1A).膝を伸展した時に腰が浮きあがるのを防止するため,腰をベルトでしっかり椅子に固定し,膝伸展の等尺性最大筋力を測定した.
足底屈力と足背屈力の測定では,被験者を椅子に座らせ,測定用ペダルに足を乗せて母指球部をベルトでしっかり固定した(図1B).膝関節が90°屈曲位となる様に椅子の高さを調節した後,パットによって膝を上から圧迫し,足底屈力の発揮時に踵が浮き上がるのを防止した.足を乗せたペダルは,足関節を中心に回転するように作られており,その回転軸に半径0.09mのプーリーを取り付けた.プーリーの溝にワイヤーを巻いて固定し,張力計によって回転トルクが測定できるようにした.下腿の長軸と足を乗せたペダルが90°(足関節角が90°)になるようにワイヤーの長さを調整し,足底屈力と足背屈力の等尺性最大筋力を測定した.足底屈力と足背屈力の測定は,ワイヤーを付け替えて行った.母指球における筋力F(N)は,躁から母指球までの水平距離L(m)を実測し,回転トルクをLで除して算出した.筋力測定は右脚で2回行い,大きい方の値を採用した.
図1 膝伸展力(A)と足底屈力,足背屈力(B)の測定装置の模式図
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